もう、先が長くないと宣告されたおばあちゃん。
紆余曲折ありましたが、病院から退院させ、自宅に帰す事になりました。
判断の決め手となったのは、新型コロナによる面会制限。
なんと、看取り時に家族が立ち会う事すらもできないのです。
ここ1年ほども面会が全くできない状態であり、おばあちゃんが「家族から見捨てられた」と感じてしまわないか、とても不安でした。
おばあちゃんが好きだったヨーグルトを施設に届け続けたのも「ばあちゃんを忘れてない」という私の思いを、なんとか感じ取って欲しかったからです。
私自身の不安と罪悪感を誤魔化すためでもありましたが。
そして、この上看取り時にすらばあちゃんに会えない。
それは、私にとって耐え難い事でした。
「自宅での看取り」については、家族から猛反対に遭いました。
特に「その道のプロ」である母からは
「35年間の看護経験から言って、お前にできるわけがない」
「何かあった時、自分のせいで…という自責の念を一生抱えることになる」
と。
確かに、そのとおりでしょう。
しかし、ばあちゃんはきっと「病院での手厚い介護」よりも「自宅で、家族と一緒に最期の時を過ごす」ことを望んでいるように思えてなりません。
こういう時は、案ずるよりも行動です。
そして、言葉は悪いですが「既成事実」を先に作ってしまうのが有効です。
訪問看護ステーションのケアマネージャーに、私の思いを相談し、実際にケアプランを立案してもらいました。
まあ、私の母自身がケアマネージャーでもあるのですが^^;
すると、予想以上に公的介護サービスが充実していることが分かりました。
ばあちゃんの年金額は114万円/年なので、公的年金控除後の所得は、ほぼゼロ。
従って、1割負担です。
ばあちゃんは「要介護4」
従って、月30,9380円までの介護サービスを1割負担で受けることが出来ます。
医療費と同じく、「高額介護サービス費」制度もあります。
つまり、介護サービスの自己負担が限度額オーバーした際でも、費用の上限は月44,400円に限定されるという事です。
いや、公的健康保険も含め、日本の公的保険は素晴らしいですね。
・私が仕事に出ている日中~21時ごろまでは、訪問介護(ホームペルパー)サービスを受ける(2時間おきに訪問してくれることも可能とのこと)。
・夜間については、私、妹、父が交代でばあちゃんに付き添い(仮眠はしっかりとる)、1回おむつ交換をする。
・あくまで「自宅で看取る」事が目的。従って、仮眠中に事が起こった場合でも、絶対にその人を責めない。
最終的に、この案で家族に納得してもらいました。
費用については、家の電気代(エアコンを24時間稼働させる必要がある)も含め、私がすべて負担します。
1億円の資産があることも、初めて家族に打ち明けました。
てっきり怒鳴られると思ったのですが、意外に冷静に聞いてもらいました。
これは驚きでしたね。
私の母は「投資」どころか「お金を貯める」こと自体が絶対悪、という思想の持ち主です。
清く、貧しく、美しく、「弱い人」のために粉骨砕身尽くさねばならない、という事です。
押し売りが家に来た際など、商品を言い値で「全て」買い取ったうえで「あなたとの縁があったことに感謝」し、こんこんと「人としての正しい道」を説き続け、「改心」させた事もあるそうです。
これだけ聞くと素晴らしい母のように感じられるでしょうが、この価値観を強要される子の立場としては、正直たまったものではありません。
光があれば、必ず影もあるということです。
すいません、話を戻します。
家族が一つの方向でまとまって協力し合うなど、本当に数十年ぶりの事です。
私の家族は、本当に凄まじく頑固者ぞろいなので、「話し合い」など5分と持たずに破綻するのが常なのです^^;
これも、ばあちゃんのお陰ですね。
今後は、ケアマネージャーと計画をより具体化させ、来月頭にでも、ばあちゃんを自宅に戻せれば、と考えています。
【追記】
今回、しみじみ実感したのは「お金はやっぱり頼りになる」こと。
そして「会社は頼りにならないどころか、むしろ邪魔」だということです。
本当は介護休暇制度を申請したいのですが、とても使える状況ではありません。
常にギリギリの人員配置であるため、週2日の休みですらままならない。
私は未だに新婚旅行に行けていません。
イタリアに行く予定でしたが、直前で「シフト変更」があったため、キャンセルしましたね。
キャンセル料は、もちろん自分持ちです。
遠方への旅行中に「明日出ろ」と命令されたこともあります。
連れに事情を説明し、私だけ深夜にタクシーで帰りました。
タクシー代(6万円くらいだったか)は自分持ちです。
運転手さんも「どんな会社ですか」と驚いていましたね(笑)
全て違法行為ですが、郵政にコンプライアンスを求めること自体が間違っているのでしょう。
私は現在、少々おやんちゃな社員ですが、それなりにそこに至る理由はあるのです。
私は労基署と協力したうえで、会社をコンプライアンス面で完全に包囲しています。
各種「証拠」も、よりどりみどり、揃っております。
労基署は「証拠」という言い方はしないようですが。
この辺りは、改めて記事にしますね。