こんばんは!
サイコパスの郵便屋さんです。
日曜あたりから、どうも夫婦そろって喉がおかしかったのですが。。
筆者が行った抗原検査では陰性だったため、まあ風邪だろうと思っていました。
二人とも、発熱は全くありませんでしたしね。
しかし先日、妻が勤務先からPCR検査を受けることを勧められ、検査したところ、なんとコロナ陽性であることが判明しました。
筆者も急いで検査しようとしたところ、病院からは「保険所からの指示を待ってください」と。
そして保険所からは「基礎疾患がない限り、検査はお勧めしない。陽性と分かったところで、待機日数は変わらない。どうしてもはっきりさせたいなら受けてもいいが…」
というお返事。
余計な手間を増やしてくれるな、ということでしょうか。
妻に対しては容体確認が毎日あるようなのですが、これも「日によって抜けるかもしれませんが、気にしないでください」とのこと^^;
毎日毎日、100人以上も陽性者が出るので、対応しきれないのでしょうね。
という訳で、10日まで自宅待機となりました。
症状は火曜日あたりで収まったので、現在は全く健康です。
せっかくですので、ゆっくり読書でもしようと思ってます。
今読んでいるのは、これ。
現役医師にして小説家の久坂部羊氏。
氏の新作です。
デビュー作の「廃用身」は本当に衝撃でした。
脳疾患等によりマヒした身体を、医学用語で「廃用身」と呼ぶらしい(氏の造語かも)のです。
このマヒした手足が、本人にとっても介助する側にとっても、大変な負担になっている。
ならば、これを切断してしまえばいい。
こう考えた主人公の医師は、この手法を「Aケア」と名付け、実際に実行します。
重い、マヒした身体を捨てた患者たちは、生き生きと「健全な生活」を取り戻しました。
マヒした下半身をすべて切断し、身軽になった患者は、車いすを使わずとも「手」でぴょこぴょこと移動ができるようになりました。
介助者の負担も大きく軽減されます。
更に「生き生きした生活」を取り戻すことで、失われた脳機能の一部まで回復する等「Aケア」は画期的な成功を収めたように見えました。
しかし…
というお話です。
過酷な医療の現場を知る現役医師らしく、ノンフィクションと勘違いしそうになるほどのリアルさを持った小説です。
そして、この先日本が迎えることになる、超高齢社会及び介護問題への、重い、重い問いかけです。
落合陽一氏が言うような「テクノロジーによる高齢社会の商品化」ができるか否か。
この「マヒした(生産性を失った)四肢を切断し、介助者の負担を軽減する」ことも、一種の「テクノロジー」といえるでしょう。
この先、介助者と要介助者の数的バランスが崩れていくに従い、これに類した議論は、きっとでてくるでしょうね。
いわゆる「団塊ジュニア」世代が「平均健康寿命」である72歳を超えたあたりでしょうか。
その時のために、筆者も今のうちから「覚悟」を決めておくべきなのでしょう。
そういうわけで、久坂部羊氏、大変お勧めです。
新作の書評も、また致しますね。