こんばんは!
サイコパスの郵便屋さんです。
いや~、またまたやってくれましたね、荻原博子女史!
燃料投下で、投資界隈も大盛り上がりです(笑)
前日のNY市場暴落によるくら~い雰囲気を吹き飛ばして(?)くれました。
さて、ではみなさん。
荻原女史のことをどう思っていらっしゃいますか?
投資のこと何にも知らないくせに、いい加減な事ばっかり言ってやがる。これで経済評論家なんてお笑いだぜ!
そう思っていませんか?
それは、大間違いです。
筆者は、彼女を「稀代の投資家」だと考えています。
それはなぜか?
今日は、そのお話です。
荻原女史は、株歴30年のベテラン投資家
筆者は以前「FIREなんか、おやめなさい」という記事中で、
と述べました。
これが見事、大当たりでした(笑)
7年前、彼女は週刊東洋経済において次のような記事を書いています。
実は、私は個人的には投資が大好きで、ずいぶん痛い目にもあってきました。投資用マンションなどは3軒買い、5000万円以上の大損をしました。
(中略)
株歴も30年。リーマンショックでは、半額になりました。
やっぱりね。
予防線の張り方が、妙に巧だったんですよ。
今回の記事にしてもそうです。
投資をするより、住宅ローンを返済した方が
投資より確実に資産が増えます
と書いています。
これ、「投資より」は「資産が増えます」に係っているように見えるでしょ?
違うんです。
「確実に」に係ってるんです。
であれば、確かに正しいですよね。
投資より返済の方が確実なのは間違いないですから(笑)
「長期投資は手数料が嵩む」という主張についても、前提として
今、金融機関に行くと
と書いてあるわけです。
であれば、確かに嘘ではないわけです。
ノーロード投信やらバンガードETFの事は、意図的に説明していないだけですから。
そういう層を相手にした方がブルーオーシャン
ではなぜ、荻原女史は投資家でありながら投資に批判的なのか。
最大の理由は、
そういう層を相手にした方が、楽に大きく稼げるから
でしょう(笑)
筆者の周囲でも、投資嫌いの人は
〇〇さんは株で破産したから投資は怖い
〇〇の息子は先物で大損して夜逃げしたから投資は怖い
こんな感じです。
「ロジック」ではなく「具体例」なのです。
荻原女史の記事を見てみてください。
ロジックはどこにもなく、ひたすら具体例でしょう。
そう、これで食いつくのです。
投資嫌いの人たちは、自分の信じたい話しか信じないのですから。
しかも、日本人にその層は非常に多い。
ビジネスとして美味しいでしょう。
株クラで「インデックスを愚直に積み立てましょう!」なんて真っ当な事を言っても、今更誰も反応しないでしょう。
レッドオーシャンなのです。
彼女はそうではなく、ブルーオーシャンを選んだ。
稀代の投資家たるゆえんです。
彼女は人的資本によってリスクヘッジしている
彼女は恐らく、現在も多額の株式を所有しているでしょう。
しかし、そのリスクヘッジに何を選ぶかが問題です。
債券を含め、株式と負の相関である資産がなかなか見当たらないですよね。
彼女はそこで、「人的資本」によるリスクヘッジを選んだのです。
「株なんかに投資してたら大損するぞ」と普段から主張していれば、実際に相場が下落した際、彼女の「株(人的資本)」は大いに上がるでしょう。
執筆依頼、講演依頼も殺到する事でしょう。
結果、株価下落の損失を穴埋めできる。
つまり彼女は、「人的資本」と「株式」を負の相関にするために「反投資」というポジションをとった、ということですね。
実に見事!としかいいようがありません。
ちなみに、バフェット太郎氏についても同じ理由から「彼はレバナスに投資しているに違いない」と筆者は考えてます(笑)
摩擦があるところにしかエネルギーは生まれない
筆者が記事を書く際に心がけているのは「摩擦係数の高さ」です。
「ん?なんだいまの?」という「引っ掛かり」ですね。
音楽でいう「フック」です。
先にも述べましたが「真っ当な正論」は誰にも興味を持ってもらえません。
それを書くのが許されるのは、大御所だけなのです。
筆者のような弱小ブロガーが少しでも興味を持ってもらうためには
「え?何言ってんだコイツ」という引っ掛かりが必要なのです。
サイコパスの郵便屋さんが株式投資でFIRE、というブログ名もそうです。
「サイコパス」と「郵便屋さん」の間は、摩擦係数が高いでしょう。
これが「郵便屋さんの、ほのぼの株式投資」だったらどうか。
「郵便屋さん」と「ほのぼの」では摩擦係数が低い。
摩擦が起こらないところには、エネルギーは生まれないのです。
で、荻原女史の文章です。
投資家の立場から見ると、まあなんと、摩擦係数の高いこと(笑)
引っ掛かりまくりですよね。
でも、なんだかんだ結局読んじゃうでしょう。
なんでやねん!と突っ込みを入れながらも(笑)
そう、これが「摩擦によるエネルギー」なのです。
真っ当な記者が「低コストインデックスを積み立てよう!」なんて書いても、誰も読み通せないはず。
摩擦がない=エネルギーが発生しないからです。
荻原女史は、そこも狙っているはずです。
自分自身が30年も投資家やってるんですから、投資家にとっての「摩擦」になる文章を身に染みて理解しているはず。
「投資嫌い」の層には「共感」
「投資家」に対しては「摩擦」
これによって大きなエネルギーを生産し、自身の名を売り込んでいるのでしょう。
実に、実に見事です。
彼女こそ、稀代の名投資家と言えるでしょう。