こんばんは!
サイコパスの郵便屋さんです。
少し前にTwitterで「車に300~400万円も掛ける奴はマネーリテラシーが低い」みたいな書き込みがあり、ちょっとした騒ぎになっていました。
発言者の方は、相当叩かれていましたね。
「他人のお金の使い道に口出しするのは人間性が貧しい」といった論調が主でした。
まあそれはそうなんですが、それを言うなら
「投資してない奴はリテラシーが低い」
「銀行預金は情弱がするもの」
と言わんばかりの、株クラの雰囲気はどうなんだと思っちゃいますよね。
もう、みんなで大きな目的を目指す物語は終わったのです。
目的によって価値の順列は変化するので、あらゆる価値は相対的です。
突き詰めれば、あらゆるものは無意味である、とも言えます。
マウントの取り合いは、お互い時間の無駄ですよね。
みんな各々、自分が好きな事にリソースを使えば良いのです。
やっぱり車には金が掛かる
先のツイートのように、金がかかる趣味の象徴として「車」が挙げられますよね。
筆者も同感なのですが、田舎暮らしの悲しさで車はどうしても必需品なんです。
それも、一人一台です。
町の構造とインフラが、モータリゼーションに最適化され切っているのです。
筆者の地元も、JR駅から半径1キロ以内にはコンビニ一つありません。
(あ、1件だけ「夜8時に閉まるセブンイレブン」はありますw)
すべてがロードサイドに集積しているのです。
そんなわけで、筆者は車には全然興味がないのですが、いやいや持ってます。
車検、ガソリン代、駐車場代(自宅と勤務先2か所分)、タイヤ代…
減価償却も含めると、最低年間50万円は掛かりますね。
筆者の家は4台持ちなので、年間200万円!
これがなかったら、今頃余裕で資産2億を超えていたでしょう。
田舎暮らしの辛いところです。
車以上に金がかかる趣味
しかし、今でこそドケチ…もとい「支出の最適化(by三菱氏)」を極めている筆者ですが、実はかつて、車以上に金が掛かる趣味に没頭していた時期があります。
そう、それはオーディオです。
筆者が郵便局に入った時、同じ班だった先輩に凄いオーディオマニアがいたんです。
僕も音楽好きなんです!30万くらいで、いいやつありませんか?
そう相談したのが始まりでした(笑)
機器自体はマランツの普及品(40万円ほど)で揃えたのですが、問題はここからです。
スピーカーのオーディオボード、その間にかませるインシュレーター、ケーブル類、プレーヤーとアンプ用のオーディオラックetc
そのすべてが、拘りだすときりがないのです。
ケーブルだけでも、ちょっといいやつになると数万円を超えてきます。
しかし、これが確かに楽しいのです(笑)
お!解像度が上がって、今まで聞こえなかったアコギが明瞭になったぞ!
こんな感じです。
こうなると、もう中毒ですよね。
結局、ホームシアター用にリア・フロントスピーカーも増やし、機器類も総買い替えし…、と合計200万円くらい使いました。
200万くらいなら大したことないじゃん!とお思いのあなた。
恐ろしいのはここからです。
機器類を揃えると、次に不満が出てくるのが「部屋」です。
天井と床が平行なのが、許せなくなってくるのです(笑)
そう、フラッターエコーですね。
みなさん、部屋の中でパン!と手を叩いてみてください。
ビーンと反響音が鳴りませんか?
これが、平行面の部屋で発生してしまうフラッターエコーです。
これを防ぐため、筆者は自室のリフォームを決意しました。
天井を取り払い、屋根に沿った勾配天井に。
さらに音の響きを柔らかくするため、パインの無垢材を張りました。
フローリングには、桜の無垢材。
適度に硬く、傷がつきにくい木です。
音の逃げ場を作るため、天井裏をロフトに。
総面積を約17畳にまで広げることが出来ました。
イメージは、コンサートホールです。
壁には珪藻土を塗り、土壁風にしました。
コスト削減のため、これは筆者自身が塗りました。
仕事が終わった後、毎日数時間かけて少しずつ。
大変でしたが、よい思い出です。
完成した部屋が、これです。
これも、総工費200万くらい掛かりましたね。
でも、初めて音を出した時は感動しました!
ウイーン少年合唱団なんか、目を閉じて聞いているとヨーロッパの教会にいるような錯覚に陥ります。
ホームシアターも、映画館より迫力がありますよ。
プライベートライアンのオープニングなんか、銃弾が耳元で空気を裂く音まで聞こえ、思わず首をすくめちゃいます。
ただ、映画は音漏れがすごいので、見るときは家族そろってですね。
一人で見てると、猛烈に苦情を言われますので(苦笑)
クラシックも意外に音漏れします。
筆者はブラームスの1番が好きなのですが、あれのドン!ドン!ドン!も苦情が来ます。
分かる人には分かってもらえると思います(笑)
限界効用は、やっぱり逓減する
CDも買いまくりました。
筆者は70年代のプログレッシブロックが好きなのですが、マイナーなので田舎のCD屋さんでは扱っていません。
10万円ほどを握りしめて、東京まで夜行バスで行き、聖地新宿のディスクユニオンやガーデンシェッドへ。
ジャケットや解説文を頼りに音を想像し、迷いに迷って数十枚買いこみ、カプセルホテルでドキドキしながらポータブルCDプレーヤーで鑑賞する。
想定以上の美メロが飛び出してきたときなんか、興奮してサウナに入りなおしたりしてました(笑)
若き日の思い出です。
この楽しみが消えたのは、YOUTUBEの登場がきっかけでした。
ジャケットで音を想像するまでもなく、検索一つであらゆるマイナー曲が聞けちゃうのです。
さらに、アマゾンプライムミュージックの登場。
CDを買うまでもなく、古今東西の音楽がクリック一つで聞けるようになりましたね。
ただ、こうなると一曲一曲をじっくり味わって聞く、という事が無くなりました。
一聴してピンと来ないと、はい次!次!となっちゃうわけです。
そして「洞窟を探検し、古の宝探し」をするような、あの楽しさは失われてしまいました。
結局、人間は「限界効用逓減法則」から逃れられないんですね。
自慢のホームシアターで映画を見ることも、めっきり減ってしまいました。
幸せの本質は、やはり過程にこそ宿るのかもしれません。
どんな音が鳴るか想像し、わくわくしながら壁を塗っていたあの時。
ジャケットやわずかな解説文を頼りに、美メロを発掘していたあの時。
そこには、確かに幸せと呼ぶものがあったように思います。