こんにちは!
サイコパスの郵便屋さんです。
当ブログの読者様には、自らブログを書いている方も多いと思います。
みなさんは、普段どのようにブログを書いておられますか?
筆者の場合、基本的に「抽象」から「具体」へ下していく書き方です。
最上位の「抽象」は、「筆者の思想(世界観)」です。
ま、要するに「投資万歳」ってことですw
これをベースにして、「目的」に向けて「ロジック」を組み立てる。
目的とはズバリ「面白くする」事です。
リアリティが失われない、ギリギリのラインまで「変(極端)なこと」を書く。
真っ当な正論が許されるのは、大御所ブロガーさんだけですからね。
「リアリティ」と「変さ」のバランスが大事です。
最終的に、ロジックに都合のいい「具象」を当てはめて、はい出来上がり!
「具象」は、筆者の雑多な知識の中から、適当に引っ張り出してきます。
例えばこの記事。
一見すると「障がい者差別批判」に見えますが、そうではありません。
「自由市場経済」万歳、「計画経済」批判の記事です。
そう、あくまで投資ネタなのです。
ロジックは「多様性の確保が、最終的により高い生産性に繋がる」こと。
これをベースに、都合のいい具象として
・「やまゆり園」大量殺人事件
・癌の難治性
をピックアップし、パズルのように当てはめた、という事です。
逆に言うと、これら具象を「多様性」という点で抽象化した。
つまり、「多様性」以外の要素を捨象した(捨てた)とも言えます。
さて、大変前置きが長くなりましたが、これを理解したうえで、今日のお話に進みましょう。
ゼレンスキーの「パール・ハーバー発言」批判
ウクライナ大統領・ゼレンスキー氏は、3月16日、米国議会において演説を行いました。
問題となったのは、その発言内容に「パール・ハーバー攻撃」が含まれていたことです。
1941年の真珠湾攻撃を思い出してほしい。
空が戦闘機で黒くなった。米同時多発テロを思い出してほしい。
空からの攻撃で、街が戦場になった。
我々はロシアによる空からの攻撃で毎日、毎晩、この3週間、同じこと(米国が経験した空からの攻撃)を経験している
この発言に対し、ネット上では批判が殺到しているようです。
・この後、日本の国会でどの面下げて何を話すのかな。この人は
・真珠湾攻撃は民間人を的にしなかったので、例えとして不適切
・この一言で応援する気が失せました
こんな感じですね。
前段の内容を踏まえて、考えてみましょう。
パール・ハーバーは、単なる具象
まず、ゼレンスキー氏の「目的」は「アメリカ国民から共感を獲得する事」です。
従って、ウクライナ国民が現在置かれている状況(空爆)を理解させる必要がある。
では、アメリカ国民が「空からの一方的な攻撃」に晒された「具象」は何か。
誰が考えても「9.11」「パール・ハーバー」しかありませんよね。
筆者が氏の立場でも、そうしたでしょう。
そこに、深い意味は全くありません。
「9.11」「パール・ハーバー」を「空からの一方的な攻撃」で抽象化した、という事です。
「民間人を的にしていない云々」は捨象されたことです。
文脈と関係ないところでキレるなよ、って感じですね。
この記事と全く同じです。
背景となるロジックを理解せず、同じ文脈にも関わらず「パチンコ批判」は賛同し、「宝くじ批判」には反発する。
具象に反応してるだけですね。
その挙句「ウクライナへの支援を止めるべき」とまで主張する。
ゼレンスキー氏の人格まで否定する。
筋違いもいいところですね。
日本は東京裁判を受諾している
パール・ハーバーが「宣戦布告なしの一方的な奇襲」だったことは、世界的にはごく一般的な理解(物語)でしょう。
ゼレンスキー氏は、この一般的な理解(物語)に沿って、具象をピックアップしたに過ぎません。
そもそも、日本はサンフランシスコ平和条約第11条において、東京裁判を受諾しています。
東京裁判自体は「事後法による、勝者から敗者へのリンチ」だと筆者も思います。
しかし、その是非は今回の件とは無関係ですよね。
対外的には、日本は東京裁判(日本悪玉論)を受け入れているわけです。
自らを敵国と定めた(敵国条項)国連にも加盟しています。
これらを踏まえると、ゼレンスキー氏がパール・ハーバーをピックアップしたことには何の違和感も感じません。
「日本に配慮すべき」との声もありますが、戦略上その価値はないと計算されたのでしょう。
日本の外交は「アメリカ追従」、金魚の糞です。
アメリカさえ押さえておけば問題ない、と判断してもおかしくありません。
なお、余談ですが、東京裁判を対外的に受け入れたことと「日本国民として、それを受け入れるか」は全く別の問題です。
断固として突っぱねるべきでしょう。
総力戦においては「民間人が標的」になって当り前
いつも思うのですが、
・パール・ハーバーは民間人を標的にしなかったから正しい
・東京大空襲や原爆は民間人を標的にしたから悪
という認識も、当時の実状とズレていますよね。
第二次大戦は、総力戦でした。
総力戦においては、戦争の勝敗は「生産力」で決まります。
「指揮官の能力」「兵士の優秀さ」は、大した問題ではありません。
物資の生産力ですべてが決まる。
独ソ戦がいい例ですね。
ドイツ軍は、ほぼすべての戦闘において、ソ連軍に数倍の損害を与え「勝利」しましたが、戦争には敗北しました。
理由は生産力(アメリカの支援もあったが)がソ連に劣っていたからです。
このような状況の下「戦略爆撃」が生まれました。
戦略爆撃は、非戦闘地域の「生産手段」を破壊し、生産力を低下させることを目的とします。
民間人も、当然「生産手段」に含まれます。
総力戦において、このような思想が生まれるのは必然でした。
日本軍が行った「重慶爆撃」も、敵の抗戦意欲低下を狙った戦略爆撃です。
住宅地を含め、虱潰しに絨毯爆撃が行われました。
蒋介石の日記には「ほとんど戦争を単独で遂行することができないまでに追い込まれたと感じて」いたと記されていたそうです。
しかし、問題は日本に戦略爆撃機が存在しなかったことです。
日本軍が重慶爆撃に使用したのは、次の2機種です。
陸軍97式重爆撃機 爆弾搭載量750~1,000キログラム
海軍96式陸上攻撃機 〃 800~1,000キログラム
これでは、戦略爆撃を行うには爆弾量が全く不足しています。
イギリス本土爆撃を行ったドイツ軍にも、全く同じ問題がありました。
日本軍機の約10倍にも上ります。
このような爆撃機を開発するには、日本には発想、技術、国力、すべてが不足していました。
第二次大戦は、戦う前から敗北が決定していたのです。
余談ですが、ここで日本が中国(国民党政権)と決着がつけられず、泥沼の戦争に陥ったことで漁夫の利を得たのが中国共産党です。
田中角栄が毛沢東と会談した際、過去の戦争を謝罪する田中角栄に対し、毛沢東が
「申し訳ないことはない。あなたたちは功を立ててくれた。あなたたちが侵略戦争を起こさなかったら、われわれ共産党は強大になれなかった。われわれも政権を奪うことができた。われわれは、あなたたちにどう感謝すればよいのだろうか? あなたたちの戦争賠償はいらない!」
と述べたことは有名です。
これは、本当に悔やまれることです。
もし泥沼の日中戦争がなければ、中国共産党という狂犬に政権を渡すことはなかった。
大躍進政策、文化大革命等、世界の災厄の8~9割は、はっきり言って中国共産党が生み出していると言えます。
なにやってんだよ日本軍、って感じです。
少々話がズレましたが、第二次大戦=総力戦においては、民間人が標的になるのは戦略上当たり前です。
日本がそれを十分に行えなかったのは、単にその力がなかったからでしょう。
なお、ベトナム戦争以降は様相が一変します。
アメリカは圧倒的な生産力(物量)を持ちながら、敗北しました。
情報化が進み、テレビを通じて世界中に「戦場」が報道されることで「反戦」の世論が巻き上がったのです。
戦争の主役が「生産力」から「情報操作」へと交代した瞬間です。
その意味では、アメリカは今回、大変上手くやっていると思います。
見事、ロシアを「絶対悪」にすることが出来ました。
中国も、もはやロシアと全面連携出来なくなったことでしょう。
そして、ゼレンスキー氏の演説も、その意味においては「上手くやった」と言えるでしょう。