こんにちは!サイコパスの郵便屋さんです。
これまで、3回にわたって資本主義(テクノロジー)がもたらした負の側面についてお話してきました。
ここで大前提として確認しておきますが、筆者は資本主義(テクノロジー)を批判しているわけではない、という事です。
むしろテクノロジー至上主義に近い。そして何より、筆者自身が資本家(株主)であります。
物事には、多面性がある、ということです。そして、矛盾した要素を内包しています。
円すい、という一つの図形も、横から見ると三角形、上から見ると円に見えます。
サイコロも、切り方によって三角形~六角形まで様々な断面になります。
色々な側面、切り口から物事を見ていき「もしかしたら円すいじゃないか?」「サイコロなんじゃないか?」とアウフヘーベンしていく、と。
これが、議論です。
今流行り(?)の、一側面だけ見て「論破」だのやってるのは「ゲーム」です。
Twitter界隈は、まさにそんな状況ですね。
投資初心者は、決して近づくべきではありません。
というより、Twitterで投資情報を得ようと考える時点で、その人は投資家向きではないでしょう。
資本主義を負の側面からも見ることで、
自分の利益はどこから来ているのか?
それは、何を犠牲にして成り立っているのか?
であれば、それが持続不可能になるのはどういう場合か?
等、ある程度は推測できるようになります。
一番難しいのは、三菱氏もいわれるとおり時間軸の予想ですが。
なぜなら、人間の価値観、善悪感、道徳観は、その時代の生産力に規定される、という世界観を持っているからです。
生産力の向上は「命は大切」という価値観を生んだ
例えば、日本の生産力(GDP)と「赤ちゃん殺し」数の推移です。
警察庁「犯罪統計書」より
負の相関になっているのが分かります。
生産力の低い時代においては、口減らしのために、赤ちゃんの口に「おから」「こんにゃく」を詰め込んだり、殺さないまでも幼子を奉公に出す、ということが多く行われてきました。
今の時代では考えられませんよね。
なぜか。
生産力の向上に伴って、人々の道徳観、善悪感が変化したからです。
次世代の労働力への投資に考えが至るほど、豊かになったという事ですね。
さらに生産力が向上し、大量生産大量消費の時代になると、人の命は「消費要員」として更に重要性が増します。
バブル崩壊後、供給過剰・需要不足の時代になると、命の価値は頂点に達しました。人命至上主義の価値観ですね。
この流れを見ると、今後の展開が予想できます。
危険なのは高齢者ですね。
生産力向上の「足かせ」になり始めています。
テクノロジーは地域共同体を、家族を破壊し、代替として介護産業を生み出しました。
エントロピーの外部化です。
しかし、ここでも低賃金や人手不足という矛盾が拡大しつつある。
今後、介護を理由として退職せざる得なくなる「介護離職」が大量発生すると言われています。
落合陽一氏がいうような、「高齢社会×イノベーション」が実現できるか否か。
つまり、高齢社会自体を商品化できるか否か。
できなければ、人々は「現代の姥捨て山」を作り始めるでしょう。
尊厳死、終末医療の是非についての議論も、ネガティブな方向へ進むことでしょう。
テクノロジーの役割は、人間にとって「不快な事、面倒な事」を代替・解決する事です。
テクノロジーが発展すると、社会制度や人々の価値観が変化する。
それは、新たな矛盾の発生を意味します。
「不快な事」を解決することで生じた変化が、新たな「不快な事」を生む。
永続的なマッチポンプ的システムですね。
医療業界もこんな感じですよね。
医療テクノロジーの向上で病気が治るようになると、業界が儲からなくなる。
このままではまずい、ということで新たな商品を開発する。
こういった新商品により、いままだ健康だった人々が病人にカテゴライズされ、商売繁盛。テクノロジーもより向上する、というわけです。
資本主義は、このようにしてテクノロジーを発展させてきました。
戦争、飢餓、疫病で死ぬ人間は激減し、むしろ栄養過多で肥満が問題視されるくらいです。
この事実を過小評価してはなりません。
テクノロジーを失えば、人々は再び、子供の口にこんにゃくを詰めだすでしょう。
たかが50年、100年で人間の本質は変わりません。
今後、世界はどこへ向かうのか
さて、これらを踏まえたうえで、私たちはどこへ向かうべきなのか。
道は大きく分けて3つあります。
①加速主義
現行社会制度の適応限界速度を超えた速度で資本主義(テクノロジー)を発展させ、矛盾を一気に顕在化することで「既得権益」「因習」といった「旧世界」を破壊する。
一言で言えば「どうせダメになるなら徹底的にダメになっちまえ」
「沈みゆく船の座席争いにかまけるくらいなら、一気に沈没させろ」ってこと。
②脱成長
(筆者は不勉強にして知りませんでした)
法政大の水野和夫氏も、かなり以前から同様のことを述べていました。
③現行資本主義体制の延命(SDGs等を活用)
成長と分配の好循環ってやつですw
欧米主導で現在進行中。
岸田さんも張り切って追従中w
次回、もう少し深掘りしていこうとと思います。