いつも心にサイコパスを★
こんばんは、サイコパスの郵便屋さんです。
昨日の記事で、カバードコールについての記載をしました。
カバードコール。
あまり聞きなれない言葉ですよね。
昨日の記事中で説明できればよかったのですが、時間切れになっちゃったんですよね^^;
ということで、今日説明させて頂こうと思います。
オプションとは
カバードコールは、オプションを使って行う戦略の一つです。
オプションとは、将来の一定期日に、あらかじめ決められた価格で売買をする権利の事です。
コールが買う権利。
プットが売る権利。
例えば、日経平均株価(27,000円とする)を100単位買うとします。
損益図はこのようになりますね。
ここで、日経平均に保険を掛けてみましょう。
半年後に日経平均を26,000円で売る権利(プットオプション)を200円で買ったとします。
保険料(プレミアム)は200円×100単位=2万円ですね。
すると、損益図はこのようになります。
水色線が、プットオプションを追加した場合の損益です。
まず、保険料の分だけ下方移動し、損益分岐点は日経27,200円に上がります。
しかし、半年間はどんなに株価が下がろうとも26,000円で売却可能なので、ここで損失が限定されることになります。
つまり、最大損失は
保険料2万円+(値下がり1,000円×100単位)=12万円
に限定されます。
保険料に2万も払いたくねーよ!
はい、そんなわがままな人にも、オプションは幅広い戦略を提供します。
では、ここで半年後に日経平均を28,000円で買う権利(コールオプション)を200円で売ってみましょう。
オプションの売りですので、先ほどとは逆にプレミアムを受け取る側になります。
200円×100単位=2万円 の受取です。
これで、先ほどの保険料とは相殺されました。
損益図を見てみましょう。
「株価28,000円で買う権利」を売っているので、株価がどこまで上がっても、利益は10万円に限定されます。
その代わり、保険料の支払い実質ゼロで、最大損失も10万円に限定された、ということです。
このように、オプションを使うと非常に多様な戦略が取れるようになります。
カバードコールとは
カバードコールを一言でいうと、現物株を保有した状態でコールオプションを売る戦略です。
現物株を保有しない、裸の状態(ネイキッド)でコールオプション(買う権利)を売ってしまうと、株価が暴騰した際に損失が青天井になりますよね。
空売りと同じです。
このリスクを避けるために、現物株を保有しておく、ということです。
損益図をみてみましょう。
赤が現物株、青がカバードコールの損益です。
現物株に比して、受取プレミアム分だけ上方移動し、損益分岐点も下がります。
その代わり、一定以上の株価上昇は捨てる、という戦略ですね。
JNJでカバードコールを実施
実際に、JNJ株でカバードコールを実行してみました。
現在株価は約172.24ドル。
2月18日期日・権利行使価格177.5ドルのコールオプションを売り、カバードコールの出来上がりです。
単価0.6ドル×100単位で、60ドル(約6,900円)のプレミアムを受け取りました。
2月18日までに株価が177.5ドルを超えなければ、そのまま60ドルが利益になります。
超えた場合は、177.5ドルで現物株を売り渡すことになります。
つまり、機会損失の発生ですね。
で、それって儲かるの?
はい、当然の疑問ですね。
筆者は「投資でセミリタイアする九条日記」というブログの愛読者なんですが、何年か前にこんな記事を書かれていたんです。
カバードコールを行うことで「超過リターン」がある、という記事です。
その根拠として、過去の実績からインプライドボラティリティ(以下IV)の方がヒストリカルボラティリティ(以下HV)より高い傾向がある、という事を挙げられています。
すいません、またややこしい単語がでてきましたね^^;
IVとは、現在オプションを取引している参加者が予想しているボラティリティです。
オプションの理論価格は、権利確定日までの期間、権利行使価格、金利、そしてIV等から算出されます。
この理論価格にオプションの現在価格を代入し、逆算してIVを算出するってことです。
ボラティリティ=期待リターンに対する変動の標準偏差ですので、当然、株価の変動が激しい方がオプション価格は高くなります。
対してHVとは、現物株の過去のボラティリティです。
つまり、IVが「予想」、HVが「実際の」ボラティリティということです。
実際に見てみましょう。
JNJの実際のボラティリティです。
オレンジがHV(30日間を年率換算)、白がIVです。
見にくいですが、薄いグレー線が株価です。
こうして見てみると、特に株価下落時において、IVがHVを大きく超えていることが分かります。
つまり、株価下落時においては、市場参加者はより過大にリスクを見積もる、ということになりますね。
恐怖を感じると、人は理性的に動けなくなるという事を示しています。
最近の株価下落でも、それを痛感しました。
つまり、このタイミングでオプションの売りを行えば、超過リターンをゲットできる可能性が高い、という事です。
で、実際儲かったの?
筆者が昨年行った、オプションの売りによる受取プレミアムです。
末尾にCが付いているのが、コールオプション、つまりカバードコールです。
権利行使価格と現在株価を比べてみれば分かるのですが、結局普通にガチホしてた方が儲かってますw
まあ、去年は典型的な上昇相場でしたからね。
こういう時は、カバードコールは弱いです。
「稲妻が走る瞬間」を捨てることになりますのでw
今年も、ぼちぼちやってみますので、また検証記事を書いていきますね。