いつも心にサイコパスを★
こんばんは、サイコパスの郵便屋さんです。
昨日の記事で「みんなで豊かになる」という目標を失った世界を
終わったドラクエ
と表現しました。
この表現が、自分でも結構気に入ってしまいましてw
このネタで、記事をもう1本書こう!と思い至りました。
さて、「終わったドラクエ」と化した世界で、これから何が起こるのか!?
筆者なりの、未来予想図をお話しします。
終わったドラクエ化とは?
まず、簡単におさらいです。
人類はその誕生以来、豊かさ=生産力の向上を目的として生きてきました。
そして、そのためには共同体による連帯が必須でした。
狩猟集団、農村、工場、会社
時代により形は変われど、「言葉」を媒介とした「共同体による連帯」こそが、人類を生存競争の勝者たらしめ、豊かさを実現してきたと言えます。
結果、「共同体への貢献」を達成したとき、人間は幸福を感じるようになりました。
愛、友情、承認、絆。
これらは、「共同体への貢献」に対する報酬です。
逆に言えば、共同体なくして人間は「生きがい」を感じられなくなったとも言えます。
そして、現代。
人類史上初めて「生産」のために「共同体」が不要となりつつあります。
AI、ロボット化、自動運転、ブロックチェーン等ですね。
野村総合研究所は、今後10~20年のうちに労働人口の49%が不要になると試算しています。
そして、それ以上に重要な問題があります。
人間が、もはやこれ以上の「物質的豊かさ」を求めなくなりつつあることです。
FIRE達成者の多くが、多額の資産を持ちながら非常につつましい生活を送っているのは偶然ではありません。
筆者自身がそうだから、よくわかります。
心底、もう「モノはいらない」んです。
これは、節約しているからではありません。
もし、無料で好きな車をプレゼントすると言われても、即断ります。
「いや、今の車で間に合ってるし。車でステータスとかダサくて嫌だし」
そんな感じですね。
まとめます。
①豊かさの生産のために、共同体が不要になりつつある。
②そもそも、人間は豊かさを求めなくなりつつある。
この二つの理由により、人類は史上初めて
目標を失いつつあるのです。
この「目標を失った世界」のことを、「終わったドラクエ」と表現したわけです。
価値観のパラダイムシフト
では、本題に入ります。
ドラクエには、様々な武器、防具が登場しますよね。
では、
はがねのつるぎ
この二つの武器を「価値のある」順に並べてください。
簡単ですよね。
①はがねのつるぎ
です。
「攻撃力」が強い順ですね。
なぜなら、魔王を倒すのが目的だからです。
「魔王を倒す」という「目的」によって、価値の基準が「攻撃力」になり、
①はがねのつるぎ
という価値の順列が形成されたという事です。
では、終わったドラクエの世界ではどうでしょう?
魔王はもういません。戦闘はもう起こりません。
つまり、「目的」の喪失です。
目的を失えば、当然「攻撃力」という「価値観」も失われますよね。
そして、価値の順列もリセットされることになります。
では、終わったドラクエ界では、いったい何が「目的」になるのか。
「自分が幸せになる事」ではないでしょうか。
もう「魔王を倒す」という「みんなの目的」が消失したからです。
必然、それぞれの人間の「個人的な幸せ」が「生きる目的」になるはずです。
すると、価値の基準は「自分の気持ち」になるでしょう。
所有することで「自分の気分が良くなる」事が「自分の幸せ」に繋がるからです。
「はがねのつるぎ」なんて重いし、嵩張るし、なにより物騒です。
そんなものを持ち歩いてると、皆に嫌われます。
「ひのきのぼう」なら、杖代わりにもなるし、いろいろ役立ちそう。
手触りもナチュラルだし。
はい、「価値の順列の逆転」ですね。
「自分の気持ち」が「価値の基準」になった結果です。
「目的」が変化すると、「価値の基準」も変わり、結果として「価値の順列」も変化する、ということです。
現実社会だとどうなる?
これまでの人類の目的は、「豊かになる事」つまり「生産力の向上」でした。
「生産力の向上」が目的であれば、「価値の基準」はなんでしょう?
「仕事の能力」ですね。
あとは「富(貨幣)」でしょうか。
起業や投資によって、世の中の「豊かさ向上」に貢献した人は「富」が報酬となります。
「仕事の能力」「富」によって、人類は「価値の順列」が付けられてきたわけです。
そして今、この「豊かになる事=生産力の向上」という目的が失われようとしている。
必然、これからの世界は「自分の気持ち」が「価値の基準」になっていくでしょう。
ここは「終わったドラクエ」界と同じですね。
その兆候は、すでに各所に表れています。
「出世を望まない若者の増加」なんかは典型ですね。
出世という「名誉」や「富」よりも
自分の気持ち
が優先というわけですね。
「サービス残業」や「休日返上」もご法度になりました。
「自分の大事な時間」を、「たかが仕事」のために浪費するのは「悪」である。
このような価値観が急速に広がっています。
こうして、「仕事の能力」「富(貨幣)」を基準として成立していたヒエラルキーは崩壊することになります。
そして「みんなで頑張って協力して、成長していく」事を基盤としていた
道徳も崩壊するでしょう。
ニーチェのいう所の「神は死んだ」です。
筆者が繰り返し述べてきた「神はこれから死ぬ」とは、この事を指しています。
道徳という価値観を失い、人々は何が正しいのか、何が間違っているのかがわからない時代になります。
ここで台頭してくるのが、新しい、独自の「価値観」を与えてくれる「インフルエンサー」です。
道徳という大きな物語が消滅し、代わってネット空間における「小さな宗教」が乱立する時代です。
ここで重要になるのが「信用」つまり「評価」です。
本当に良い情報を与えてくれるか。良い物語を語ってくれるか。
こうして、「貨幣」を稼ぐ「貨幣経済」から、「他人からの評価」を稼ぐ「評価経済社会」へと世界は移行していくことになります。
いま、かなり話題になってますよね。評価経済社会。
岡田斗司夫さんが、その提唱者です。
今回は、この評価経済を「終わった後のドラクエ」という切り口で解説してみました。
楽しんでいただけたでしょうか?
それでは、今日もありがとうございました!