いつも心にサイコパスを★
こんばんは、サイコパスの郵便屋さんです。
このブログでは、一貫して「認知バイアス」にこだわってまいりました。
個人投資家が失敗する最大の原因がコレだという事です。
しかし、もはや投資以前に、人間が現代において「生きづらさ」を抱えている要因にすらなっているんじゃないかと思っています。
人類はその誕生以来、豊かさ=生産力の向上を目的として生きてきました。
そして、そのためには共同体による連帯が必須でした。
狩猟集団、農村、工場、会社。
時代により形は変われど、「共同体の連帯」こそが人間を生存競争の勝利者にしてきたと思います。
結果、「共同体への貢献」を達成したとき、人間は幸福を感じるようになりました。
愛、友情、承認、絆。
これらは、「共同体への貢献」に対する報酬です。
そして現代。
人類史上初めて、生産のために共同体が不要になる時代が、やがて訪れようとしています。
いや、それ以前に「これ以上豊かになる事」の延長線上に「幸福」がない事に人々は気づき始めています。
人類史上初めて、人間は目標を見失ってしまった。
世界は終わった後のドラクエと化そうとしているのです。
みんなが、より豊かになる事を夢見て一丸となって頑張っていた、あの時はもう二度と戻りません。
もう、倒すべき魔王は居ません。
終わった後のドラクエで、僕らは何を生きがいとすればよいのか。
筆者には、人間が幸せになるには「副作用のないドラッグ」しかないようにさえ思います。
少年時代、周りの日常すべてがキラキラ輝いていましたね。
ドラッグで、あの脳内物質を再現し、少年時代を再現したメタバースに浸る、と。
これはディストピアでしょうか。
さて、前書きが長くなってしまいました。
いつの間にか、ノリノリでしたものでw
いや、認知バイアス界のラスボスともいえる
「認知的不協和」を書き忘れていた事に、先日気づいたんですよね。
今日はこれをお話しします。
認知的不協和とは何か
認知的不協和とは、
「人が自身の認知とは別の矛盾する認知を抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す(Wikipedia)」言葉です。
イソップ童話の「すっぱい葡萄」が有名ですね。
「あの葡萄を食べたい」けど「手が届かなくて食べれない」
2つの矛盾する認知により、とても不快ですね。
「手が届かなくて食べれない」のは物理的な問題なので、変えようがありません。
そういう時人は、「あの葡萄を食べたい」という認知を変更し、不快感を解消しようとします。
「あの葡萄は、きっと酸っぱくて美味しくないはずだ」と。
洗脳にも利用される
イソップ童話の例だと、なんだかいじらしくてカワイイのですがw
実はこの認知的不協和、洗脳に利用された事例もあります。
時は1950年初頭。
朝鮮戦争により、半島はアメリカ軍を中心とする国連軍・韓国軍と、北朝鮮軍・中国義勇軍の間で激しい戦闘が行われていました。
ここで中国共産党は、捕虜にしたアメリカ兵に対し、認知的不協和を用いた洗脳を試みます。
共産主義には、良い点も少しはある。
わずかなタバコ、菓子等の報酬と引き換えに、このように記述させたのです。
ここで「共産主義にも良い点がある」と記述した行動と矛盾が生じます。
行動は、事実ですので変更しようがありません。
必然、「共産主義は敵だ」という認知が変更されます。
アメリカ兵は「共産主義にも良い点がある」と思い込むことで、認知的不協和を解消したのです。
筆者の経験談
そんな簡単に認識なんて変わらんだろ、と思われるかもしれません。
しかし、これは事実です。
筆者の経験を話します。
最初に言っておきますが、筆者は当時「認知的不協和」を知りませんでした。
後になって思えば…ってやつですね。
筆者がかつて、仕事に前向き(一時的ですがw)だったのは、記事に書きました。
特に力を入れていたのは「営業」です。
筆者は当時「営業リーダー」を任されていたので、目標を達成するのに必死でした。
しかし、郵便配達員というのは元来「配達が速いヤツが偉い」という世界に生きています。
必然的に、時間がかかる「営業」には後ろ向きになるんですね。
筆者がやったのは、「まず、行動を変えさせる」こと。
よく「意識が変われば行動が変わる」っていいますよね。
筆者は、昔から嘘くさいと思っていました。
だって、意識なんてそう簡単に変わらないですよw
宿題をやったことの無い筆者が言うんだから確かです。
だから、まずは無理やりでもいいから「行動を変える」
これだと思ったんです。
筆者は、自分が非番の日に、班員の配達について回り、営業の声掛けをさせました。
…今思えば、バカなことをしたと後悔してます。違法行為ですよね。
ブラック企業のアホマネジャーって感じです。
筆者は、「思い込んだら一直線」なところがあるんですよね。
はっきりいって、病的ですw
一日中、そのことばっかり考えてます。あらゆるリソースを、そこに注ぎ込む。
いまは、その対象が「投資」に変わっただけですw
本質は全く変わってません。病的ですw
すいません、話を戻しますね^^;
一緒に営業した班員は、結構それに前向きになったんです。
一度、「声かけ訪問リスト」を見せてもらったことがあるんですが、細かい字でぎっしり書いてありました。
このやり方を繰り返し、筆者のチームは毎年営業はトップでした。
何度か本社に表彰されに行ったんで、全国的にもそこそこだったと思います。
そして今思えば、これは正に「認知的不協和」を利用した「洗脳」に近かったな、と思うんです。
営業なんてやる必要ない
でも自分は営業をしてしまった
この認知的不協和の解消ですね。
余談ですが、組織で活動する場合、そのモチベーションの上限は「リーダーのヤル気」と比例します。
ヤル気は、そのリーダーが能動的か受動的かを見れば分かります。
能動的とは、「自ら考えて動く」こと。
つまり、自分で責任を引き受ける姿勢です。
この心意気に人は付いてきます。
「言われた事」をどんなに一生懸命したところで、それは責任を引き受けることになりません。
投資への悪影響
この認知的不協和は、投資にも悪影響を及ぼします。
みんな、「この銘柄は素晴らしい」と思って投資しますよね。
最初は。
そう上手くいく訳もなく、この銘柄が下落の一途を辿ったとしましょう。
すると、「この銘柄は素晴らしい」という認識と
「株価下落」という現実との間に不協和が生じます。
この時、あろうことか大抵の投資家は「株価下落」という現実を否定し始めるのですw
プロスペクト理論、サンクコストバイアス等の認知バイアス応援団も加担して「損切を認めたくない」感情が先走るんですね。
「この銘柄の良さを理解しないバカが売ってる」
「機関投資家の一時的な売り」
「単なる月末の手じまい売りにすぎない」
はい、みなさん覚えがありますよね。
筆者はありますw
ヤフーファイナンスでも、この手のコメントがあふれてます。
結果、損切が遅れて大損することになるんですね。
個人投資家の9割が負ける、それはまさに認知バイアスの仕業です。
そして、この認知的不協和を味方につける方法がたった一つあります。
そう、それは長期投資。ほったらかし投資です。
長期ほったらかし投資は、文字通り「ほったらかす」事が目的です。
認知的不協和により「損切しない」ことが、逆に有利に働くんですね。
こう考えると、長期ほったらかし投資というのは「普通の人」が勝ち組になる唯一の手段だともいえますね。
そのためには、まず「行動を変える」ですよ。
さあ、証券口座をつくりましょう!