三菱サラリーマン氏は、何が凄いのか

いつも心にサイコパスを★

こんにちは、サイコパスの郵便屋さんです。

 

FIREを志しているみなさん、三菱サラリーマンさんはご存じですよね。

 

14歳からFXトレードを始め、15歳でFF11廃人に。

大学卒業後は、三菱系某社に入社するも、初日に早期退社を決意。

30歳にして7,000万円の資産を構築後、FIREを果たす。

その後は、雪かき森林系のお仕事等に精を出す。

 

…いや、ざっと書いただけですが異色の経歴ですよね。

 

筆者は5年ほど前から、ほぼ毎日三菱氏のブログを読んでいます。

当時はまだFIREなんて言葉も一般的ではありませんでした。

そのような中、周囲の同調圧力を物ともせず、自分の信じた道を直走る姿に、めちゃめちゃ感銘を受けましたね。

 

そんな三菱氏、少し前に本を出版されました。

 

 

筆者は、三菱氏がご推奨される通り、図書館で借りて読んでいました。

従って、アマゾンレビュー等は読む機会がなかったのですが…

 

先日、ひょんなことからこれを読む機会があって、びっくりしましたね。

レビューの☆評価が異様に低いのです。

 

読んでみると、どうやらこの人たちが気に入らないのは次の3点のようです。

 

①配当収入のみに注目し、肝心の「資産総額」を見ていない。高配当投資は、課税ロス等もあり、非効率である。初心者がまねすると痛い目に合う。

②三菱氏は慶應卒⇒三菱入社という超エリートであり、一般人にとっては再現性がない。

③お世話になった会社や同僚を「豚舎」「豚」等と表現するのが失礼だ。

 

ああ、なるほど。

一言でいうと「ああ、具体から入ってんな、こいつら」って感じ。

 

物事は「抽象」から入らないと本質が掴めません。

すると「方向」自体を間違えかねないんです。

郵便を出す時も、県名⇒市名⇒町名⇒姓名、つまり抽象⇒具体の順で書きますよね。

詳細は過去記事をどうぞ。

yuubinyasan.com

一応、一つ一つ反論させていただきますね。

別に筆者が反論する義理はないんですが、まあ「記事のネタ」ってことでw

 

①「高配当投資批判」への反論

物事を成そうとする時、最も重要なのは「目的」と「KPI(※)」の設定です。

※Key Performance Indicator つまり、「目的への道筋となる指標」の意。

 

三菱氏は、「FIRE」という目的への「KPI」として「配当収入」を設定しました。

KPIを「資産総額」にしなかったのがミソですね。

ここが三菱氏の凄いところです。

 

では、なぜ「配当収入」をKPIとしたのか。

それは、認知バイアスを敵に回さないため

彼は、これこそが投資に成功するためのキーになると気づいていたのです。

 

一般に、個人が株式をした場合、その9割は損失を抱えるといいます。

なぜ、ほとんどの個人投資家が負けてしまうのか。

それは、人間のDNAに刻み込まれた認知バイアスに起因します。

 

人類の歴史は、その97%が狩猟採集時代にあたります。

人間のDNAは、適者生存法則により、この狩猟採集時代を生き抜くのに最適化するよう「設計」されたと思われます。

 

しかし、産業革命により、人間社会の環境はこの数百年で激変しました。

狩猟採集時代には「長所」として機能したDNAの特性が、近代資本主義社会においては「短所」として機能してしまっている。

これが、認知バイアスです。

 

中でも厄介なのがプロスペクト理論

狩猟採集時代においては、食料の保存技術がなく、「大量に得る」よりも「今あるものを失わない」ことが有利に働きました。

 

このため、人間は「利益」がでると、早くそれを確定しようとします。

 

ここで、KPIを「資産総額」に置いていたらどうでしょう?

「資産が減る」リスクに耐えられず、早々と利益確定してしまうのではないでしょうか。

 

逆に「配当収入」がKPIであれば、株価の下落は「配当利回りの向上」として、積極的に買い増すことに繋がります。

 

株式長期投資の肝は「売らないこと」「下落時にも淡々と買い増すこと」です。

「配当収入」をKPIにすることで、結果として正しい行動に繋がっているのです。

 

これは、「課税ロス」だの「トータルリターン」だの、具体論から入っていっては、決して見えてきません。

 

ついでに言うと、「銘柄名」も「買うタイミング」もどうでもいいことです。

鉛筆でも転がして決めればよいでしょう。

 

個人投資家の9割が負けているのです。

この事実を甘く見てはいけません。

 

退場せずに、淡々と入金を続けること。

それができれば、ほぼ勝ちです。

銘柄の組み換えなど、それからやっても遅くありません。

 

②「三菱氏は超エリートであり、再現性がない」への反論

「30歳で7,000万」に再現性がないのはそのとおりですが、

そんなことは読者は百も承知でしょう。

 

入金=収入ー支出

入金力を最大化するために、支出を最適化する。

定量的な部分は、それぞれの事情に応じて決める。

「継続する事」を最優先するため、「配当収入」をKPIとする。

 

これ以上ないくらい、再現性があるように思います。

③「会社や同僚を、豚呼ばわりするな」への反論

当り前ですが、三菱氏は面と向かっていったわけではありません

匿名ブログの中で、FIREという志を同じくする人たちに向かって言っただけです。

 

日本の会社は、同調圧力が高いです。

出る杭は、はっきり言って打たれます。

「FIRE」を目指して、給料の大半を株式投資する、という行動を貫くのは、相当な精神力が求められるでしょう。

 

そのような環境にあって、自分を鼓舞する意味で「物語」をつくる。

「豚舎」という牢獄から抜け出し、自由を獲得する物語です。

それのどこに、罪があるでしょうか。

 

日本の会社に、もう「物語」を紡ぐ力はありません。

 

「みんなで頑張れば、みんなが良くなる」

「社員は家族。みんなを守る」

 

そんな物語を支えてきた経済的基盤は、急速に崩れています。

会社は「派遣社員」「非正規労働者」を「非身内」として最下層に組み入れ、この物語の延命を図っていますが、もはや白々しいばかりです。

 

物語は、一人ひとりが自力で紡ぐ時代に入ったのです。

最後に

筆者が、三菱氏について一番すごいと感じるのは、

最終的に「具体」の世界に帰ってきたことです。

 

「雪かき」「森林関係の仕事」はその象徴といえます。

 

筆者は「お金持ちになる事」については絶対の自信があります。

といっても、60歳時点で2~3億円程度ですが(;'∀')

 

それは、抽象的に物事を捉えているから。

この社会で「お金持ち」になるには、抽象的思考ができると圧倒的に有利です。

「抽象」から「具体」は見えても、その逆は見えないのです。

 

従って、例え資産額が半分になったとしても、淡々と入金を続ける自信があります。

現にコロナショック時は35%減までいきましたが、余裕でしたね。

 

しかし、この代償として「具体的なものはすべて無駄」と考える癖がついてきてます。

 

問題は、人間が「社会的な動物」だということ。

最終的に「幸せ」になるには、「具体」の世界に帰らねばならないのです。

 

このブログの見どころは、実はそこです。

さあ、金持ちになった筆者は、幸せになれるのか!?

乞うご期待です。