デービッド・アトキンソン氏に思う事

いつも心にサイコパスを★  

こんばんは、サイコパスの郵便屋さんです。

 

先日、今週号の東洋経済をパラパラと立ち読みしていたのですが、思わず吹き出してしまいました。

冒頭の記事で「デービッド・アトキンソン氏が生産的政府支出の増大を訴えている」事が言及されていたんです。

 

早速調べてみると、こんな記事が。

toyokeizai.net

いやいや、これをあなたが言いますかw

さすがはアングロサクソン、面の皮の厚さは半端ないですね。

 

誤解なきように言っておきますが、筆者はアトキンソン氏には好感を持っております。

株式投資家で彼のことが嫌いな人は居ませんよね。

我々にとって、大変都合がいいことを言ってくれるからw

 

しかし、そんな筆者でも今回に限っては「おいおい」と突っ込んじゃったんです。

何のことかわからないって?

では、今日はそのお話をしましょう。

 

アトキンソン氏の主張とは

・日本の財政支出においては、「社会保障費(年金や医療、介護費」や「国債費(利払いや償還)」など、経済成長に寄与しない支出が多くを占めている。

・逆にインフラ投資や教育、研究開発等の「生産的な支出」は、先進諸国の平均をはるかに下回っている。

・プリマリーバランスを凍結して「生産的政府支出」を増やすべきだ。

 

これが、アトキンソン氏の主張です。


実際、21年度当初予算、約106兆円のうち、社会保障費と国債費で約60兆円を占めています。

20年度の税収は約63兆円です。

すなわち、収入のほぼすべてが「非生産的」な支出に消えてしまっている、というのが日本の現状なのです。

 

これを見ると、先のアトキンソン氏の主張には、一見正当性があるように見えます。

日米構造協議を知っていますか

今をさかのぼる事三十数年。

日本経済は飛ぶ鳥を落とす勢いでした。

半導体、自動車、電化製品、あらゆる分野で欧米企業を抑え、世界のトップに立っていたのです。

 

これにブチ切れたのがアメリカです。

 

アメリカの貿易赤字は、「日本の産業構造に問題があるため」であるとして改善を求めたのです。

 

マクロ経済の恒等式に「ISバランス式」があります。

民間(家計、企業)の貯蓄超過ー財政赤字=貿易黒字

 

この式に基づき、「アメリカの貿易赤字、日本の貿易黒字の原因は、日本の民間貯蓄が大きすぎ、政府の赤字が足りないからだ」と主張したんですね。

 

アメリカの具体的要求は、「消費者金融を増やせ(家計を赤字化せよ)」からはじまり、

・毎年GNP比10%以上を「非生産的(箱もの等)」な分野に公共投資せよ。生産的な分野への投資は減らし、輸出競争力を減退させよ。

・労働者の働き方を改革し、レジャー時間を増やせ。

などなど、露骨なものでした。

 

日本はこれに応え、実に630兆円の公共事業計画を策定。

全国に大量の箱モノが建設されることとなります。

まあ、政治家にとっても地元への利益誘導できますから、都合がよかったんでしょう。

 

「国の借金が1,000兆円」などど言われていますが、その多くはこれに起因するものだったんですね。

その結果として、現在、巨額の国債費に苦しんでいるわけです。

所与として受け入れよ

筆者は、これが「悪いこと」だとは思いません。

所与の条件として受け入れるのみです。

 

しかし凄いのは、これだけのことをされながら、日本のアメリカへの好感度が高いこと。

 

やはり、アングロサクソンの搾取能力は一流です。

我々は、彼らと同じ船に乗りましょう。

彼らに便乗するのです。

 

最近はSDGsやら脱炭素やら言い出してますが、

表看板を掲げるだけましになったと思います。